

第1章 用具
1. テーブル <The Standard Table>
(a)寸法
クッション間内の 競技エリアは3,569mm × 1,778mmとする(フィート表示の場合11ft 8.5in×5ft 10.0in)。
尚、それぞれの公差は+/- 13mm以内(+/- 0.5in 以内)とする。
(b)高さ
床からクッションレール上部までの高さは864mmとする。
(フィート表示の場合 2ft 10in)。公差は+/- 13mm以内(+/- 0.5in 以内)とする。
(c)ボトムクッションとトップクッション
テーブルの短い方の2辺はそれぞれボトムクッション(ボークとも呼ばれる)とトップクッションと呼ぶ。
クロスをテーブルに張る際、ボトムクッション側からトップクッション側にナップが流れるようにする。
(d)ボークラインとボーク
ボトムクッションから737mm(29in)に平行に引かれた線をボークライン(Baulk-line)、またボトムクッションからボークライン間のエリアをボーク(Baulk)と呼ぶ。
(e)ザ“D”
“D”は ボークラインの中央から半径292mm(11.5in)で描かれた半円である。
(f)スポット
ボーク側から見て2つのスポットが”D”の角部分にあり、右側をイエロースポット、左側をグリーンスポットと呼ぶ。
以下の4つのスポットがテーブルの縦の中央線上に位置する。
- ブラウンスポット
ボークラインの中間点。 - ブルースポット
トップクッションとボトムクッションの中間点。 - ピンクスポット
トップクッションとブルースポットの中間点。 - ブラックスポット
トップクッションから324mm(12.75in)の位置。
(g)ポケットオープニング
テーブルの4角に各1個と長い方の辺の中間に各1個ずつポケットを設置する。
テーブルのサイズ
ボールのセッティングと点数
2. ボール <Balls>
- ボールのセットは赤15個、黄色、緑、茶色、青、ピンク、黒、と白各1個ずつで構成される。
- ボールの材質は公認されたものであり、その直径は52.5mmで公差は +/- 0.05m以下でなければならない。
- ボールの重量は、1セットのボールの中で一番重いボールと一番軽いボールの重量差が3g以内でなければならない。
- ボールまたはボールのセットはプレイヤー間の合意とレフリーの決定によって交換することができる。
3. キュー <Cue>
キューは914mm(3ft)以下のものは使用出来ず、従来からあるもの、または一般的に受け入れられているもの(ティップが付いており、キュー先に向かって細くなるもの)と極端に異ならないものを使用する。
4. 補助器具 <Ancillary>
レスト、ロングキュー、エクステンションや接続器具をプレイヤーは使用することが出来る。
これらのものは初めからテーブルに備え付けられているもの、プレイヤー及びレフリーが持ち込んだものどちらを使用しても構わない。
これら全てのストロークをする為、または狙いを定める為の補助器具は、事前に管轄団体 によって承認されたものでなければならない。
第2章 定義
1. フレーム <Frame>
スヌーカーのフレームは全てのボールがセットされた後にどちらかのプレイヤーの最初のストロークから始まり(第3章ルール3(c)参照)、下記の(a)~(d)で完了するまでのことを言う。
- どちらかのプレイヤーがコンシード(ギブアップ)した場合。
- テーブルにブラックだけが残っていて、ストライカーの得点が相手プレイヤーの得点より8点以上高い場合に、ストライカーから勝利判定を求められた場合。
- テーブルにブラックだけが残っていて、ノンストライカーの得点が相手プレイヤーの得点より8点以上高い場合に、ノンストライカーの勝利が認められた場合。
- ブラックだけが残っている場合に、ブラックのポット、あるいはファールを犯した時点。(第3章ルール4参照)
- 第3章ルール14(d) (ⅱ)あるいは第4章ルール1(b)、1(d)、3(b)、3(c)により審判員によって宣告された場合。
2. ゲーム <Game>
ゲームは同意、もしくは規定された数のフレームで構成される。
3. マッチ <Match>
マッチは同意、もしくは規定された数のゲームで構成される。
4. ボール <Ball>
- 白いボールはキューボール(手球)である。
- 15個のレッドボールと6個のカラーボールはオブジェクトボール(的球)である。
5. ストライカーとターン <Striker and Turn>
プレーをしようとする、あるいはインプレー(プレー中)のプレイヤーをストライカーと呼ぶ。
ストライカーの順番(ターン)は次の状態になるまでである。
- ストロークによって得点出来なかった時。
- ファール後、全てのボールが静止し、ストライカーがテーブルを離れたとレフリーが判定するまで。
- 相手がファールした際、相手にプレーアゲインを要求した時。
- テーブルにブラックだけが残っていて、ストライカーの得点が相手プレイヤーの得点より8点以上高い場合に、ストライカーから勝利判定を求められた時。
- 最後のブラックがポットされ、全てのボールが静止するまで。
6. ストローク <Stroke>
- ストロークはストライカーがキューのティップでキューボールを打った瞬間からはじまる。
(フェザーを取っている時を除く) - ストロークの際、キューボールを1度のみ打つことが許されるが、プッシュしてはならない。
(キューティップが瞬間的にキューボールに密着したままになるのは許される) - ストロークは、ルール違反が無かった場合にフェアストロークとなる。
- ストロークは、次に挙げる状態になるまで完了しない。
- 全てのボールが止まるまで。
- 要求されたボールの置き直しが完了するまで。
- ストライカーが使用した補助器具(レスト類)がテーブル上から取り除かれるまで。もしくはレフリーがストロークの完了を認めるまで。
- ストロークは下記2種類の通り、直接(direct)もしくは間接(indirect)にて行う。
- キューボールが最初にクッションに入らずオブジェクトボールに当たる場合。― 直接
- キューボールがオブジェクトボールにあたる前に、1回あるいはそれ以上のクッションに入る場合。― 間接
7. ポットとポケット <Potting and Pocketing>
ポットとは、ルール違反することなく他のボールがオブジェクトボールに当たり、オブジェクトボールがポケットに入ることを言う。
ファールによってボールがポケットに入ることを、ポケットと言う。
8. ブレイク <Break>
ブレイクとはストライカーが自分の順番にて連続してポットを成功させることである。
9. インハンド <In-hand>
- 下記の場合キューボールはインハンドである。
- フレームの開始時。
- キューボールがポケットに入った場合。
- キューボールがテーブルから飛び出した場合。
- 同点でフレーム終了後、第3章ルール4(b)の通り、黒がリスポットされ再開する場合。
- 下記の状態までキューボールはインハンドである。
- プレーがルール違反なく開始されるまで。
- キューボールに関与するファールが、ストライカーによってキューボールを保持していない間にあった場合。
- ストライカーは上記の場合にインハンドであるという。
10. ボール・イン・プレー <Ball in Play>
- キューボールは、それがインハンドではないとき、インプレーとなる。
- オブジェクトボールはポットされるか、ファールでポケットに入るか、あるいはテーブル上から飛び出しフォーストオフザテーブルとなるまで、フレームの初めからインプレーとなる。
- カラーボールは、スポットに戻された後、再びインプレーとなる。
11. ボール・オン (オンボール)<Ball On>
キューボールを最初に当てなければならないオブジェクトボール、もしくは最初に当ててはいけないがポットしてもよいオブジェクトボールをボールオン(オンボール)という。
12. ノミネート・ボール <Nominated Ball>
- ノミネートボールとは、キューボールを最初に当てるとストライカーが口頭により宣告、もしくはレフリーに分かるように指し示したオブジェクトボールのことである。
- もしレフリーによって要求されれば、ストライカーはどれがノミネートボールなのかを宣言しなくてはならない。
13. フリー・ボール <Free Ball>
フリーボールとは、ファール後に残った配置がスヌーカー状態になった場合に、ストライカーがノミネートするオブジェクトボール(オンボールは除く)のことである。※第3章ルール12参照
14. フォースト・オフ・ザ・テーブル <Forced Off the Table>
ボールがテーブル上のプレイングエリア(クッションレールを除く緑のクロスを張ってある部分)以外またはポケットの中以外の場所で止まった場合、そのボールはフォーストオフザテーブルとなる。
15.インフリンジメント、ファール、ペナルティー<Infringements, Fouls and Penalties>
違反行為(インフリンジメント)とは、ルール侵害の事を指す。
ファールとは、ファールした側のプレイヤーの順番が終わる違反行為の事を指す。
ペナルティーとは、プレーの順番に変更をもたらす事がない違反行為の事を指す。
16. ペナルティーポイント <Penalty Points>
如何なる違反行為によっても、非ファール側のプレイヤーにペナルティーポイントが与えられる。
17. スヌーカー <Snookered>
全てのオンボールに対し、直接当てる為の直線路が、それぞれ完全にあるいは部分的にオンでないボールに邪魔されている場合に、キューボールはスヌーカー(スヌーカー状態)であるという。
もし、オンボールのひとつでも、そのオンボールの左端から右端までキューボールを当てられるようならばスヌーカー状態といわない。
- キューボールがインハンドで、“D”のライン上またはライン内のどの位置からも上記のような邪魔された状態になるならばスヌーカー状態であるという。
- オンボールが複数のオンでないボールによって邪魔されている場合は、
- 邪魔しているボールで最もキューボールに近いボールがスヌーカー状態に関与しているボール(effective snookering ball)である。
- 邪魔しているボールがキューボールより等距離に複数ある場合は、それら全てがスヌーカー状態に関与しているボールである。
- レッドがボールオンの時、複数のレッド全てがそれぞれ複数のオンではないボールに邪魔されて当てることができない場合、スヌーカー状態に関与しているボールは存在しないとする。
- キューボールが上記のようにスヌーカー状態のとき、ストライカーはスヌーカー状態にあるという。
- キューボールはクッションによってスヌーカー状態になることはない。
18. スポット・オキュパイド<Spot Occupied>
カラーボールを、所定のスポットに戻さなければならないとき、他のボールに接触させずに戻すことができない場合、スポットはオキュパイドであるという。
19. プッシュ・ストローク <Push Stroke>
下記のいずれかの時点までキューティップがキューボールと接触し続けたとき、そのストロークはプッシュストロークであるとみなされる。
- キューボールがすでに前進運動を始めている時、またそれ以降。
(キューティップが瞬間的にキューボールに密着したままの状態は除いて) - キューボールがオブジェクトボールと接触した時、またそれ以降。
ただし、キューボールとオブジェクトボールがほぼ接触状態に近い至近距離の場合、キューボールがそのボールの端ぎりぎりに当たるようなショットはプッシュストロークとは見なされない。
20. ジャンプ・ショット <Jump Shot>
ジャンプショットとは、キューボールがオブジェクトボールを飛び越える際、接触するしないに関わらず、オブジェクトボールの一部でも飛び越えるショットのことをいう。
ただし、下記の場合にはジャンプショットと見なされない。
- キューボールが最初に合法的に1つのオブジェクトボールに当たり、その後キューボールがジャンプして他のボールを飛び越えた場合。
- キューボールがジャンプしてオブジェクトボールに当たった後、そのオブジェクトボールを飛び越えず、手前側にキューボールが落ちた場合。
- キューボールが最初に合法的に1つのオブジェクトボールに当たり、その後キューボールがクッション又は他のボールに当たった後にジャンプして、最初に当てたオブジェクトボールを飛び越えた場合。
21. ミス <Miss>
ミスとは、
- キューボールを最初にオンボールに当てることができなかった場合を指す。
- フリーボールが選択された状況において、キューボールが最初にノミネートボールに当たらず、もしくはキューボールがノミネートボールとオンボール同時に当たらなかった場合を指す。
22. 協議期間 <Consultation Period>
協議期間とは、違反行為(第3章ルール2(c)(ⅱ) 、3(k)、10(i)、14、15、16または、第3章ルール9が発生する前の状態に、レフリーがボールを元の位置に戻すのを、プレイヤーが助言する時間のことを指す。
協議期間は、ボールを元の位置に戻すことが決めた時点から始まり、ボールの位置についてプレイヤー両者が納得した時点、もしくはレフリーが最終決定した時点までとなる。
第3章 ゲーム
1. 解説 <Description>
スヌーカーは2人での対戦、あるいは2チームに分かれてそれぞれ2人以上のプレイヤーでの対戦にて行う。
ゲームは要約すると次の(a)から(h)ように行う。
- それぞれのプレイヤーが同じ白いキューボールを使う。
そして21個のオブジェクトボールがある。その種類と点数は15個のレッドが各1点、6個のカラーはイエローの2点 、グリーンの3点 、ブラウンの4点、ブルーの5点、ピンクの6点とブラックの7点となる。 - 得点となるストロークは、プレイヤーが自分の順番において、レッドとカラーを交互にポットし(レッドがテーブル上から全て無くなるまで)、カラーを点数の低い順からポットする事により発生する。
- 得点となるストロークが発生した場合、ストライカーの得点に加えられる。
- 違反行為によるペナルティーポイントは相手の得点に加えられる。
- フレーム中にいつでも使える戦法として、キューボールをオンでないボールの後ろに隠してしまうこと、つまり次のプレイヤーにスヌーカーを作ってしまうことがある。もしプレイヤー(チーム)の対戦相手との点差が、テーブルに残っているボールの合計点数よりも大きい場合は、リードされているプレイヤー(チーム)は、スヌーカーを作って相手がファールする可能性を上げ、ファールによって得点を得ることが最も重要になる。
- フレームの勝者は以下のいずれかを満たすプレイヤー(チーム)である。
- 最も高い得点を獲得する。
- 相手からコンシード(ギブアップ)される。
- 第3章ルール14(d) (ⅱ)、あるいは第4章ルール1(b)、1(d)、3(b)、3 (c)によってフレームを与えられる。
- ゲームの勝者は以下のいずれかを満たすプレイヤー(チーム)である。
- 最も多いフレーム、あるいは規定のフレームを先取する。
- 総得点制の場合、最も高い総合得点を獲得する。
- 第4章ルール1(c)、1(d)によって与えられる。
- マッチの勝者は、最も多いゲームを取ったプレイヤー(チーム)、また総得点制の場合は最も多い得点を取ったプレイヤー(チーム)となる。
2. ボールのポジション <Position of Balls>
- 各フレームのスタート時、キューボールはインハンドであり、 そしてオブジェクトボールは次のようにテーブルの上に置かれる。
- レッド:15個のレッドはそれぞれをしっかり接触させて正三角形に組む。
頂点のレッドはテーブルの縦の中央線上に置き、ピンクスポットをオキュパイの状態にせずに、ピンクボールと可能な限り近い位置に置く。またこの三角形の底辺はトップクッションと平行になるようにセットする。 - 第1章ルール1(f)で提示されているポジションに6つのカラーボールを置く。
- レッド:15個のレッドはそれぞれをしっかり接触させて正三角形に組む。
- ボールの配置に誤りが確認された場合、第3章ルール7(c)が適用される。
そして、第3章ルール3(c)の通り、フレームを始める。 - フレーム開始後、ボールインプレーの状態でも、ストライカーによる正当なリクエストがあればレフリーによってのみ、ボールを拭いてもらうことができる。
- ボールがスポット上に無くても、ボールマーカー等、適切な器具を使って位置を マークした後、ボールを拭いてもらうことが出来る。
- ボールの位置をマークするために使用されている器具は、そのボールが拭かれた後その位置に戻されるまで、マークしているボールと同じ点数を持つと見なされる。
もしいずれかのプレイヤーがこの器具に触れれば違反行為と見なされる。その場合、レフリーによってペナルティーポイントが非ファール側のプレイヤーに与えられ、必要であればその器具や拭かれたボールを元の位置に戻さなければならない。
また、協議期間については、この器具やボールを元の位置に戻すことを決定した時点から始まる。
3. プレー方法 <Mode of Play>
プレイヤーはくじ引き又はそれに類する一般的な方法でプレーの順番を決定する。
- ファール後に次のプレイヤーによってプレーアゲインの要求があり、再度撞かなければならないとき以外は、フレームを通してプレーの順番を変えることはできない。
- 複数フレームにてゲームを行う場合、それぞれのフレームの最初に撞くプレイヤー(またはチーム)は、フレームごとに交替で行う。
- キューボールがテーブルに置かれ、以下の2つどちらかの行為にて、インハンドからの最初のプレイヤーがキューティップをキューボールに接触させるとフレームが開始される。
- ストロークを行った場合。
- キューボールに対してフェザーしてる最中にキューティップが触れた場合。
- もし誤った順番で、プレイヤー又はチームがフレームを始めてしまったことが分かった時、
- 1回のみのストロークが行われ、違反行為が1度も起きなかった場合は、何のペナルティーなしに、正しい順番で再開される。
- 2回目以降のストロークが行われた場合や、1回目のストローク中、もしくは1回目のストロークが完了した後に違反行為が起きた場合、そのフレームは続行される。フレームを開始する順番はこのまま変更されることはなく、順番を誤ってしまったプレイヤー又はチームは3フレーム連続でフレームを開始することになる。
- ステイルメイトが適用された場合(第3章ルール17参照)、元々の正しい順番でフレームが再開される。
- フェアストロークであるためには、第3章ルール11に記述されている違反行為はいずれも侵してはならない。
- 自分の順番、もしくは前の順番で使われた全ての道具や補助器具をテーブル上から取り除くことは、ストライカーの責任の下で行われる。
- 全てのレッドがテーブル上から無くなるまで、それぞれの順番の最初のストロークにてレッド、又はレッドとしてノミネートされたフリーボールはオンボールとなる。そしてレッド又はレッドとしてノミネートされたフリーボールが同じストロークにて両方ともポットされた場合、全てが得点となる。
-
- レッド、又はレッドとしてノミネートされたフリーボールをポットすると、同じプレイヤーは次のショットでカラーボール何れかを選択してボールオンとしてポットすることができる。ポットに成功するとそのカラーの得点が加算され、カラーはリスポットされる。
- レッドが全てテーブル上から無くなるまで、レッドとカラーを交互にポットすることでブレイクは継続し、最後のレッドのポットに続いてカラーを狙う。
- テーブル上がカラーだけになると、第3章ルール1(a)に従いカラーの点数の低いほうからオンボールになり、第3章ルール4の場合を除いてポットしたカラーはオフザテーブルのままになる。そしてストライカーはオンボールとなった次のカラーを狙う。
- ストライカーがブレイク中に、全てのボールが静止し、レフリーがカラーボールをリスポットする前にストロークをしてしまった場合、ポットしたカラーボールの点数は加算されず、第3章ルール11(a) (ⅰ)、もしくは 第3章ルール11(b) (ⅱ)いずれか妥当な方が適用される。
- ポット、ポケットされたレッド又はフォーストオフザテーブルとなったレッドは、そのときのファールによってプレイヤーが有利になるならないに関わらずテーブル上には戻らない。
ただし、例外として第3章ルール2(c)(ⅱ)、3(k)、9、10(i)、14(b)、14(e)、15、16、20(b)、第5章ルール1(a) (ⅰ)、が適用される場合がある。 - ストライカーはポットを外した後、速やかにテーブルから離れなければならない。テーブルから離れている最中、もしくはその前に何らかのファールをした場合、第3章ルール11に従ってペナルティーが科される。次のストロークは、キューボールが静止した場所からか、もしくはキューボールがインプレーではない場合はインハンドから再開される。但し、第3章ルール10(i)、14(e)、16に従いキューボールがリプレイスされる場合はこの限りではない。
- 順番ではないノンストライカーがテーブルに着き、何かしらの違反行為を行った場合、ペナルティーの対象となる。その場合、レフリーは「ペナルティー」とコールして、違反行為が発生する前の位置まで、動いたボール全てを戻さなくてはならない。順番は変わらず、元々のストライカーがプレーを続行する。また、協議期間については、ボールを元の位置に戻すことを決定した時点から始まる。
- 相手の順番の最後のストロークもしくはファールの後、全てのボールが静止もしくはレフリーがカラーをリスポットする前に、次のストライカーがキューボールをストライクするか違反行為をした場合、ペナルティーの対象となる。そしてそのストライカーの順番は終わる。
- どのボールについても、一度ポケットに入ってからテーブル上に出てきてしまった場合、 ポット又はポケットされたと見なされない。この事象が起きた場合、どのプレイヤーに対しても何の救済処置も行われない。
4. フレーム、ゲーム及びマッチの終了 <End of Frame, Game or Match>
- ブラックだけがテーブル上に残っている状態では、ブラックのポットまたは違反行為によってフレームは終了する。 ただし、次の条件が共に適用される場合に限りフレームは終了しない:
- 両者の得点が同じになる場合。
- 勝敗の決定が総得点制でない場合。
- 上記(a)の2つの条件が共に成立した場合、以下に従ってプレーされる。
- ブラックがテーブルのスポットに戻される。
- プレイヤーは、くじを引いて順番を決める。
- 先にプレーをするプレイヤーはインハンドからプレーする。
- 最初のポットあるいは違反行為でフレームが終了する。
- ゲームあるいはマッチの勝敗を総得点にて決定する場合、最終フレームが終了した時点で両者の総得点が同点である時は、前項(b)に従って勝敗を決定する。
5. インハンドからのプレー <Playing from In-hand>
インハンドからプレーする際に、“D”のライン上又はそのラインの内側からキューボールを撞かなければならないが、どの方向に撞いても良い。
- キューボールを置いた位置に問題がないか、レフリーに宣言してもらうことができる。
- インハンドの際、キューボールが“D”の外側の位置にある状況でキューのティップがキューボールに触れても、インハンドからプレーされたと見なされない。
- ストライカーがボールを置く場所を決めている最中にキューのティップがキューボールに触っても、ストライカーがキューボールを撞く動作に入っていないとレフリーによって判断される場合は、キューボールはインプレーではない。
6. 2つのボールへの同時ヒット <Hitting Two Balls Simultaneously>
2個のレッドへの同時ヒット、又はフリーボールとオンボールへの同時ヒット場合を除いて、2個のオブジェクトボールへ同時に当てる事はできない。
7. カラーのスポット <Spotting Colours>
ポット、ポケットされた、又はテーブル外へ飛び出したカラーは第3章ルール3(h)(ⅲ) によって最終的にポットされるまで、次のストロークの前にスポットに戻される。
- レフリーが間違ってボールをスポットしても、そのミスに関してはプレイヤーには責任がない。
- 第3章3ルール(h)(ⅲ)に従って順にポットしているとき、レフリーが間違ってカラーをスポットした場合、それに気づいた時点でペナルティーなしでテーブルから取り除き、プレーはそのまま続行される。もしカラーがポットされた後に間違いが分かった場合、次のストロークが行われた後に得点を加算する、もしくは次のストロークが行われる前に違反行為があれば、その後に加算する。
- もし、1個または複数のボールが正しくスポットされないままストロークを行った場合、以後のストロークにおいてはそれらのボールは正しくスポットされていると見なされる。
ただし、テーブル上にあるべきカラーがない場合そのカラーはテーブルに戻され、その場合の対応は以下のとおりとなる。- 見落としが原因である場合、気づいたときのペナルティーは無しとなり、第2章ルール1で定義されている通り、フレームが終了してない場合はカラーをテーブルに戻してそのまま続行する。
- レフリーがリスポット可能な状況であるにも関わらず、完了する前にストライカーがプレーした場合はペナルティーが科される。
- 誤ってカラーではなくレッドがリスポットされた場合、分かった時点でカラーをリスポットする。但し、以下の状況の場合は、以下の通りの対応となる。
- そのレッドを特定出来る場合、テーブル上から取り除く。
- そのレッドを特定出来るが既にポット、ポケットされている、又はフォーストオフザテーブルとなっている、(c)で説明されている通りカラーが既にスポットされている場合、もしくはそのレッドを特定出来ない場合、レッド16個分のフレームを行う。
もしカラーがテーブル上にない場合はスポットし直し、現状のボールポジションか らペナルティー無しで続行する。
- カラーがスポットされるにあたり、そのカラーのスポットが他のボールで邪魔されている場合(オキュパイド)、配置可能な最も得点の高いカラーのスポットへ置かれる。
- 複数のカラーを同時にスポットしなければならない場合で、スポットがオキュパイドの場合には、得点の高いカラーから順にスポットする。
- 全てのスポットがオキュパイドの場合には、そのカラーのスポットからトップクッションに向かって可能な限り近い位置に置く。
- ブラック、及びピンクの場合で全てのスポットがオキュパイドであり、さらにトップクッションとの間にも置く場所が無い場合には、センターライン上のそのボールのスポットに可能な限り近い位置に置く。
- どのような状況においても、カラーをスポットする場合、そのカラーは他のボールに接触してはならない。
- これらのルールに従い、カラーは正確な位置にスポットされなければならない。
8. タッチングボール <Touching Ball>
- キューボールがオン、またはオンに指定できるボールに接した状態で静止した場合、レフリーは「タッチングボール」を宣言する。またキューボールがどのボールと接してるか判別が困難な場合、どのボールと接しているのかレフリーは明示する。ストライカーがレッド(もしくはレッドとしてノミネートしたフリーボール)をポットした後、キューボールが一つもしくは複数のカラーにタッチした状態となった場合、レフリーはストライカーに次のショットでどのカラーをオンボールとするのか、明示させる必要がある。
- タッチングボールが宣言されると、ストライカーはタッチしているオブジェクトボールを動かすことなくキューボールを撞かなければならない。このタッチしているオブジェクトボールを動かすようなショットをするとプッシュストロークと判定される。
- ストライカーがタッチしているオブジェクトボールを動かさないでショットした場合、以下の場合にはペナルティーではない。
- タッチしているオブジェクトボールがボールオンの場合。
- タッチしているオブジェクトボールをボールオンに指定できる状況で、ストライカーがそのボールをボールオンと宣言した場合。
- タッチしているオブジェクトボールをボールオンに指定できる状況で、ストライカーが別のボールオンと指定できるオブジェクトボールを宣言し、そのオブジェクトボールに最初に当たった場合。
- ボールオンではないオブジェクトボールにタッチするかしないかのギリギリのところで手球が停止した場合、ストライカーからタッチングボールかどうか判定要求があればレフリーは答えなくてはならない。
- キューボールがボールオンとオンではないボール2つとタッチして停止した場合、レフリーはタッチしているボールオンのみを指し示す。ストライカーがオンではないボールにもタッチしているかと尋ねた場合、ストライカーはレフリーから宣告を受けることができる。
- タッチしているオブジェクトボールがショットの瞬間に動いたとしても、それがストライカーのストロークに起因するもので無いとレフリーが判定すれば、ファールとはならない。
- レフリーによってタッチしていないと宣言されたオブジェクトボールがストロークする前にキューボールとタッチしてしまった場合、レフリーの納得する位置に両方のボールの位置を戻す。逆に、レフリーが一度「タッチングボール」と宣告したにも関わらず、その後、レフリーの判断にて「タッチの状態ではない」となってしまった場合、レフリーの納得する位置に両方のボールの位置を戻す。
9. ポケットエッジのボール <Ball on Edge of Pocket>
もしポケットエッジにあるボールが別の動いているボールに当たることなくポケットに落ちたり、
- もしボールが別の動いているボールに当たることなくポケットに落ちたり、ストライカーのショットに関係なくにポケットに落ちたりした場合は、落ちたボールは元の位置に戻す。そして、それまでの得点はカウントされる。
- もしそのボールが落ちずに残っていて、ストロークによって動いたボールが当たっていたはずの場合:
- 違反行為がない場合(ポケットエッジのボールがポケットに入ってしまい、それが違反行為となってしまうこと以外の違反行為を含む)には、全てのボールを元の位置に戻し再度同じストロークを行うか、または同じストライカーにより全く違うストロークを行うことができる。
- ファールを侵した場合には、ストライカーは第3章ルール11の通りペナルティーを受け、全てのボールは元の位置に戻され、次のプレイヤーは通常のファール後の選択肢が与えられる。
- もしボールがポケットエッジ上でしばらくバランスをとった後にポケットに落ちた場合にはそのポットは有効となり、得点またはファールのペナルティーの点数が加算されポケットへ落ちた球は元に戻されない。また、協議期間については、このボールを元の位置に戻すことを決定した時点から始まる。
10. ファール <Fouls>
ファールが犯された場合、レフリーは直ちに「ファール」を宣告する。
- ストライカーがキューボールを打つ前にファールを犯した場合には、そのストライカーの順番は終わり、レフリーはペナルティーを宣告する。
- ストライカーがキューでボールを打った瞬間またはその後にファールを犯した場合には、レフリーは全てのボールが停止するのを待ってから、ペナルティーを宣告する。
- レフリーによってファールが宣言されず、又はノンストライカーからも次のストロークが行われるまでに指摘が無かった場合にはファールは取り消される。
- オフザテーブルになったカラーを正しいスポットに戻す時以外、間違ったスポットに置かれたカラーはそのままにしておく。
- ファールが宣告されるまでのブレイクの得点は認められるが、ファールが宣告されたストロークでの全てのポットはストライカーの得点として認められない。
- 次のストロークはキューボールの停止した位置、またはキューボールがオフザテーブルの場合にはインハンドから始まる。
- もし複数のファールが同じストロークで犯された場合は、最も高い点数のペナルティーが科せられる。
- ファールを犯したプレイヤーは次の処置を受ける。
- 第3章ルール11で定められた、罰則を受ける。
さらに - 次のプレイヤーによって求められた場合、次のストロークを続けてプレーしなければならない(プレーアゲイン)。
- 第3章ルール11で定められた、罰則を受ける。
- ストライカーが、構えている最中にキューボールに触れてしまった場合など、ストロークをする際に何らかのファールをしてしまった場合、規定通りのペナルティーが与えられる。そして非ファール側のプレイヤーは現状から再開するか、現状からファールした側のプレイヤーにプレーアゲインを求めるか、もしくは全てのボールを元の位置に戻して元々のストライカーに再開を求めることができる。またその場合のオンボールは違反行為の発生前と同じでなければならない、すなわち:
- オンボールがレッドだった場合、いずれかのレッド。
- 全てのレッドがオフザテーブルだった場合、オンであったいずれかのカラー。
- オンボールが、レッドがポットされた後のカラーだった場合、もしくはフリーボールとしてノミネートされたボールがポットされた後の場合、ストライカーが選択していたカラー。
また、協議期間については、全てのボールを元の位置に戻すことを決定した時点から始まる。
- もしストライカーがインハンドの際、インプレーのオブジェクトボールに触れてしまった場合、レフリーはファールを宣告する。そしてキューボールをストライカーが保持していない間に触れてしまいファールとなった場合以外、キューボールは引き続き次のストロークまでインハンドとなる。
11. ペナルティーの点数 <Penalty Values>
次に挙げる行為はファールとなり、下記(a)~(d)の中でペナルティーの点数が5点以上の内容とならない限り、4点のペナルティーの点数が相手に与えられる。
- オンボールの点数。
- フリーボールとしてポットしたカラーをレフリーがリスポットする前にストロークする。
- 1回のストロークで2回以上キューボールを撞く。
- キューボールを撞くときに両足が床から離れている。
- ダブルスゲームの際にプレーの順番を間違える。
- オープニングブレイクを含めインハンドからのプレーを不適切に撞く。
- キューボールがどのオブジェクトボールにも当たらない。
- キューボールがポケットに入る。
- ノミネートされたフリーボールでスヌーカーをかける。(第3章ルール12(b) (ⅱ)の時は除く)
- 6 redスヌーカーの際、ノミネートされたボールでスヌーカーをかける。
- ジャンプショットを行う。
- 認められていないキューを使う。
- 第3章ルール18(e)で禁止されているパートナーとの相談。
- オンボールの点数またはそのファールに関与したボールの高い方の点数。
- いずれかのボールがまだ動いているときに撞く。
- レフリーがフリーボールではないカラーをスポットする前に撞く。
- オンでないボールがポケットに入る。
- キューボールが最初にオンでないボールに当たる、もしくはキューボールがノミネートされたフリーボールに最初に当たらない。(オンボールとノミネートボールが同時に当たった場合は除く)
- プッシュストロークを行う。
- プレイヤーの体の一部、服装や道具がインプレーのボールに触れる、またはインプレーのボールをマークする器具(ボールマーカー等)に触れる。
- インハンドの時、キューボールがインプレーのボールに触れる。
- 順番が変わる前から、または変わる時に、テーブル上に置かれていた道具等でインプレーのボールに触れる。
- ボールクリーンの為、テーブルから取り除かれていたボールを元の位置に戻す前にストロークする。
- ボールがテーブルから飛び出す。(オフザテーブルになる)
- 2個のレッド(レッドがオンの時)またはノミネートされたフリーボールとオンボールの場合以外、2個のボールにキューボールが最初に同時ヒットした場合は、オンボールまたは高い方のボールの点数。
- 以下の場合、7点のペナルティーがストライカーに科せられる。
- 目的の如何によらずオフザテーブルのボールを使う。
- 間隔や距離を測るために何かしらの物を使う。
- レッド、またはノミネートされたフリーボールに続いてレッドをプレーする。
- 一度フレームが開始された後に、白以外のボールをキューボールとして使う。
- レフリーが要請したにもかかわらず、どのボールをオンボールとするか宣言しなかった。
- レッド、またはレッドとしてノミネートしたフリーボールをポットした後、次にプレーするカラーをノミネートする前にファールを侵した場合。
次に挙げる行為はファールとなり、下記(e)~(g)の中でペナルティーの点数が5点以上の内容とならない限り、4点のペナルティーの点数が相手に与えられる。
- 第3章ルール3(k) の通り、違反行為があった、もしくは順番を間違えた場合、オンボールの点数またはその行為に関与したボールの高い方の点数。
- 協議期間中、プレイングエリア内にある何れかのボールにプレイヤーの体の一部、服装や道具が触れる、この場合は7点。
- 以下の場合、7点のペナルティーがノンストライカーに科せられる。
- 目的の如何によらずオフザテーブルのボールを使う。
- 間隔や距離を測るために何らかの物を使う。
12. ファール後のスヌーカー状態 <Snookered After a Foul>
ファールの後にキューボールがスヌーカー状態になるとレフリーは「フリーボール」を宣言する。(スヌーカー状態=Snookeredについては第2章ルール17を参照)。
- 次の順番のプレイヤーがそのまま次のストロークをすることを選択した場合:
- フリーボールはオンと見なすことは出来ないが、どのカラーでもボールオンとしてノミネートすることができる、
- ノミネートされたフリーボールはオンボールと同じ点数とみなされ、もしポットされた場合はスポットに戻される。
- キューボールが以下の状態になるとファールになる。
- キューボールが最初にノミネートしたボールに当たらなかった場合(ノミネート したボールとオンボールが同時に当たった場合を除く)
もしくは、 - 全てのレッドまたはオンボールをノミネートボールでスヌーカー状態(snookered)にした場合。ただし、ピンクとブラックがテーブルの上に残って いる全てのオブジェクトボールである場合を除く。
- キューボールが最初にノミネートしたボールに当たらなかった場合(ノミネート したボールとオンボールが同時に当たった場合を除く)
- ノミネートされたフリーボールがポットされると、そのボールはスポットされ、ボールオンの点数が加算される。
- キューボールが最初にノミネートボールに当たる、またはノミネートボールとオンボールに同時に当たった後にオンボールをポットした場合、ボールオンの得点が加算され、ポットしたオンボールはテーブル上へ戻さない。
- ノミネートされたフリーボールとオンボール両方ともポットした場合、ボールオンがレッドでない限り、ボールオンの得点のみ加算される。ボールオンがレッドの場合にはポットした個数分得点となる。ボールオンはテーブル上に戻さず、ノミネートされたフリーボールはスポットされる。
- ファールした側のプレイヤーがプレーアゲインを要求された場合、もしくは第3章ルール10(i)、14(b)、14(e)と16(c)の通り、非ファール側のプレイヤーが全てのボールを置き直しをしてからの再開を要求した場合、フリーボールの宣言は無効となる。
13. プレー・アゲイン <Play Again>
一度プレイヤーが相手プレイヤーにファールの後、もしくはファールやファールアンドミスの後にボールの置き直しを要請した後、プレーアゲインを要請するとこの要請を撤回することはできない。ファールした側のプレイヤーはプレーアゲインを要請されると次の権利を得て、
- 以下に挙げる選択が出来る。
- ストロークの変更。
- 当てようとするオンボールの変更。
- ポットしたボールの得点を得る。
14. ファール・アンド・ミス <Foul and a Miss>
- ストライカーは、最善を尽くしてボールオン、もしくはレッド又はレッドとしてノミネートされたフリーボールをポットした後にオンとなるボールに当てる努力をしなければならない。 このルールが侵害されたとレフリーが判断した場合には「ファールアンドミス」を宣言するが、次に挙げる条件いずれかに当てはまる場合、その限りではない。
- どちらかのプレイヤーがストロークの前か後、ペナルティーポイントが必要な点差となり、レフリーがそのミスが意図的ではないと判断した場合。
- ボールオンに当てることが完全に不可能と判断される場合。この場合、障害となるボールにどうしても当たるとしても、ストライカーがオンボールに直接的または間接的に、レフリーが認める十分な力加減で当てようとすることが前提条件となる。
- ファールアンドミスが宣言されると、非ファール側のプレイヤーはファールした側のプレイヤーに現状の位置から、もしくは全てのボールを元の位置に戻してもう一度プレーするように要請することができ、後者の場合、オンボールは最後のストロークの前と同じでなければならない。すなわち、
- オンボールがレッドだった場合、いずれかのレッド。
- 全てのレッドがオフザテーブルだった場合、オンとなり得るいずれかのカラー。
- レッドがポットされた後のカラーがボールオンだった場合、もしくはレッドとしてノミネートされたフリーボールがポットされた後の場合、ストライカーが選択するいずれかのカラー。
- もしストライカーがストロークする際、キューボールからオンボールいずれかへ、もしくはオンボールと成り得るボールいずれかへ、僅かな一部分でも当てることが出来る直線路がある時、最初に当てることができなかった場合、レフリーはファールアンドミスを宣言する。
但し第3章ルール14(a)(i)の条件に当てはまる場合、この限りではない。 - 前項(c)に従ってファールアンドミスが宣言された後、キューボールからオンであったか、もしくはオンと成り得たボール中心部分へ、フルボールで当てることが可能な直線路があった場合(レッド同士の場合は隠されているとは見なさず、カラーによって隠されたとしても、最低1つのレッドへフルボールで当てることが出来る場合)、もしくは、キューボールがオンと成り得るボールとタッチングボールとなった場合、
- 同じ位置からストロークしてオンボールに最初に当てることを2度失敗した場合は、得点差にかかわらずファールアンドミスが宣言される。
- 上記(ⅰ)の通り2度目の失敗があり、元の位置からもう一度プレーするよう相手から要請されたとき、3度目の失敗は相手の勝利フレームになるとファールした側のプレイヤーはレフリーから警告される。但し、この時レフリーが警告しなかった場合は、3度目の失敗によってそのフレームが相手の勝利となることはない。もしその後ファールアンドミスが繰り返された場合、レフリーが気付いた時に初めてストライカーは警告を受けることとなる。
- ストローク後に残った現状からのプレーを相手から要請されたときは、(d)(ⅰ)、(d)(ⅱ)で説明されているファールアンドミスのカウント回数は無効になる。
- このルールに従って全てのボールが元の位置に戻された後、ストライカーがキューボールを含むいずれかのボールでファールをしたとき、ストロークをしていなければミスは宣言されない。この場合、適宜ペナルティーが科され、非ファール側のプレイヤーは自分自身で現状からストロークをするか、ファールした側のプレイヤーに現状からもう一度プレーするよう要請するか、またはレフリーに全ての動いたボールを元の位置に戻し相手にそこからプレーさせるように要請することができる。もし、もう一度元の位置に戻し相手にプレーするよう要請した場合、オンボールは最後のストロークの前と同じボールとなる。すなわち、
- オンボールがレッドだった場合、いずれかのレッド。
- 全てのレッドがオフザテーブルだった場合、オンとなり得るいずれかのカラー。
- レッドがポットされた後のカラーがボールオンだった場合、もしくはレッドとしてノミネートされたフリーボールがポットされた後の場合、ストライカーが選択するいずれかのカラー。
上記の状況が前記(d)で説明されている、ファールアンドミスコール連続中に発生した場合、相手のフレーム勝利へのミスコールのカウント回数は、全てのボールをルール侵害があった時よりも前の元の位置に戻した時のみ有効なままとなる。
- ファールアンドミスの後、ボールを元の位置に戻すことが要請された時点より、協議期間が始まる。
15. ストライカー以外によって動かされたボール <Ball Moved by Other than Striker>
ボールが静止しているしていないに関わらず、ストライカー以外によって動かされた場合は、そのボールがあった位置、または最終的にそこへ行ったであろう位置にストライカーへのペナルティーは無しで、レフリーによって置き直される。
協議期間については、全てのボールを元の位置に戻すことを決定した時点から始まる。
- この規則は、観客などの他の外的要因(ダブルスゲームでのストライカーのパートナーは除く)により、ストライカーがボールに触れてしまった場合にも適用される。また、スポットされたボールがストローク前に動いてしまった場合にも適用されるが、その他のテーブル上の微細な要因でボールが動いてしまった場合はこの限りではない。
- レフリーがボールを動かしてしまった場合、プレイヤーにはペナルティーは科せられない。
16. 意図的に動かされたボール <Ball Intentionally Moved>
ストロークする為にキューボールをストライクしたり、又は協議期間中にボールに触れたりする場合を除いて、もしいずれかのボールがストライカーによって意図的にプレイングエリアから動かされたり、持ち上げられた場合、レフリーはファールを宣言する。
- 静止したボールが意図的に動かされたり、持ち上げられた場合、非ファール側のプレイヤーは、
- 現状から、自分がプレーすることを選択するか、もしくは相手にプレーさせることを要請出来る。この状況では、プレイングエリアに戻って来なかったボールはいずれもフォーストオフザテーブルの扱いとなる。
- 動かされたボール全てを元の位置に戻してから、自分がプレーすることを選択するか、もしくは相手に再度プレーさせることを要請出来る。もし後者を選択した場合、オンボールはルール侵害があった前と同じボールとなる。すなわち、
- オンボールがレッドだった場合、いずれかのレッド。
- 全てのレッドがオフザテーブルだった場合、オンとなり得るいずれかのカラー。
- レッドがポットされた後のカラーがボールオンだった場合、もしくはレッドとしてノミネートされたフリーボールがポットされた後の場合、ストライカーが選択するいずれかのカラー。
上記の状況が第3章ルール14(d)で説明されている、ファールアンドミスコール連続中に発生し、ファールした側のプレイヤーに元の位置から再度プレーさせることを要請した場合、相手のフレーム勝利へのミスコールのカウント回数は有効なままとなる。
- 動いているボールが意図的に動かされたり、持ち上げられた場合、レフリーはフェアプレーの視点に立って最適な判断を示す必要がある。
- もしストライカーが、ストロークをする為にキューボールをストライクした際、それが不正行為と解釈される場合、第4章ルール1での説明通り警告を受ける、そして非ファール側のプレイヤーは上記(a)と(b)での説明通り、いずれかを選択出来る。
協議期間については、全てのボールを元の位置に戻すことを決定した時点から始まる。
17. ステイルメイト <Stalemate>
もしレフリーが現在のボールの配置状況がステイルメイト(こう着状態)である、ステイルメイトの状態になりつつあると判断、もしくは双方のプレイヤーからそのような指摘があった場合、レフリーは双方のプレイヤーに対して、そのフレームを即時最初からやり直すように申し出る。この流れはよく言われるリラック(re-rack)の事を指す。
- もしどちらかのプレイヤーが反対する場合には、レフリーは一定の期間内(通常は互いにあと3ストロークくらいまで)に状況が変わらなければならないという条件付でプレー続行を許可するが、この判断はレフリーに委ねられる。
- この期間が終了しても基本的に状態に変化が無い場合には、レフリーはそのフレームの得点を無効にし、全てのボールを初めの状態に置き直して最初から始める。
- オープニングブレイクについては第3章ルール3(d)(ⅲ)の通り、そのフレームでブレイクを行ったストライカーが再び行い、ブレイクを行う順番は保持される。
- またステイルメイトの状態が第3章ルール4(b)で説明されているリスポット・ブラック(ブラックボールゲーム)で発生した場合、ブラックのみがリスポットされ、オープニングブレイクはそのブラックボールゲームで行った同じストライカーが行う。
18. フォーハンド スヌーカー <Four-handed Snooker>
- フォーハンドスヌーカー(4人のプレイヤーが2人ずつ2チームに分かれる)ではそれぞれのチームが交互にフレームを開始し、各チームのプレーの順番は各フレームの開始時に決定し、その順番はフレームが終了するまで変更してはならない。
- 各フレームの開始時に、各チームはプレイヤーのプレーの順番を変更してもよい。
- ファールがあってプレーアゲインの要請があった場合、ファールを侵したプレイヤーが次のストロークを行う、そして以後のプレーの順番は変わらない。もし順番違いによるファールがあった場合、そのファールした側のプレイヤーがプレーアゲインを要請されてもされなくても、ファールした側のパートナープレイヤーは一度プレーの順番を失う、
- フレームが引き分けだった場合には第3章ルール4が適用される。 ブラックのリスポットが必要な場合、最初にストロークするチームはどちらのプレイヤーから先に始めるか選択できる。以後は通常のフレーム同様、プレーの順番を守らなければならない。
- パートナー同士はフレーム中に相談や会話を交わしてもよいが、ストライカーがテーブルに近づきプレーを開始し、その順番が終了するまでの間は禁止される。(f) もしストライカーのパートナーが違反行為をした場合、ストライカーがファールを侵したとの判定になる。
19. 6レッド スヌーカー <Six Reds Snooker>
6レッドスヌーカーでは、本オフィシャルルールに追加で次の内容が適用される。
- ファールアンドミスは最大3回までのコールとなり、ファールした側のプレイヤーが元の位置からの再開を要請されても、それ以上の要請は無効となる。
- ファールアンドミス2回目のコール後、レフリーはファール側のプレイヤーに対して、もう一度ファールアンドミスとなれば、非ファール側のプレイヤーには次の選択肢いずれかが与えられると警告する、それらは
- 現状からプレーするか、
- 現状からもう一度プレーするよう相手に要請するか、
- テーブル上のプレイングエリア内で、好きな位置にキューボールを置いてプレーする。但しこの選択肢は最後のストロークの前もしくは後に、どちらかのプレイヤーがペナルティーポイントが必要な状況となった場合は選択できない。もしこの選択肢が選ばれた場合、第3章ルール12は適用されない。
- もしファールアンドミスの後、ファールした側のプレイヤーが現状からのプレーアゲインを要請された場合、それまでのファールアンドミスのカウント回数は無効になる。
- レッド又はレッドとしてノミネートされたフリーボールをポットした後、第2章ルール17で説明されている通り、ストライカーはノミネートしたカラーでスヌーカー状態を作ってはいけない。
20. 補助器具の使用 <Use of Ancillary Equipment>
テーブルで使用できる全ての器具の配置及び除去は、ストライカーの責任で行われる。
- ストライカーは、自分所有のもの、借りもの(レフリーからの借りものを除く)であるとに関わらず、レストやエクステンションなどを含むテーブルに持参した補助器具全てに対して責任を有し、その補助器具を自ら使用してファールを侵した場合はペナルティーを科される。
- レフリーなどの第三者がテーブルに用意している通常の補助器具に関してはストライカーに責任はない。 もしこの補助器具に欠陥があり、そしてそれによってストライカーがボールに触れてしまってもファールは宣言されない。
レフリーは、もし必要であるなら、第3章ルール15に従いボールを元の位置に置きなおすことができる。またストライカーは、ブレイク中であれば、ペナルティー無しで継続することができる。
21. 解釈 <Interpretation>
- 身体のハンディキャップのある人々のために、状況によっては、これらのルールを調整する ことができる。
典型的な例として:- 第3章ルール11(a)(ⅲ)は、車椅子のプレイヤーには適用しない。
- プレイヤーが色(例えばレッドとグリーン)の識別が不可能な場合、レフリーはボールの色や位置をプレイヤーに教示しなければならない。
- レフリーがいない場合、相手プレイヤー又は相手チームがこれらのルール順守の為のレフリーと見なされる。
- 本オフィシャルルールに即していれば、レッドの個数に制限はなく、簡易的なスヌーカーをプレーすることも出来る。
第4章 プレイヤー
1. 不正行為 <Unsporting Conduct>
-
- プレイヤーが不快な言葉を使っている、不快な振る舞いを行っている。
- プレイヤーが故意にまたはしつこく、何らかの不正な行為をしている。
- プレイヤーが何らかの不正行為に値することをしている。
- プレイヤーがフレームを続けることを拒んでいる。
上記の行為をプレイヤーが行っているとレフリーが判断した場合、それ以上そのような行為を行えば、相手にフレームが与えられると警告する。
- もしレフリーが上記(a)に従ってプレイヤーに警告を与えた後も、上記に挙げたような不正行為が続く場合、レフリーは相手にフレームを与え、もし不正行為がフレーム間で発生した場合は次のフレームを相手に与える。また、その後再びそのような行為を行えば、相手に試合が与えられると警告する。
- もしレフリーが上記(b)や下記(d)に従って相手プレイヤーにフレームを与えた後も、上記に挙げたような不正行為が続く場合、レフリーは相手に試合を与える。
- 不正行為がひどすぎるものとレフリーが判断した場合、不正行為に対する警告が一度も出されてなかったとしても、レフリーは相手にフレームもしくは試合を与える。
- レフリーによって相手プレイヤーにフレームや試合が与えられた場合の判断は最終的なものであり、どんな異議申し立てがあっても無効とはならない。
2. コンシード <Conceding>
- プレイヤーはコンシード(敗北を認める)できる。但し、相手プレイヤーがプレーを続行することを決めた場合はコンシードの申し出は無効になる。
- プレイヤーは、ペナルティーポイントが必要ではない点差では、どんなフレームや試合もコンシードすることは許されない。このルールを破れば、そのプレイヤーは不正行為に及んでいると見なされる。もし既にレフリーが第4章ルール1(a)の通り、そのプレイヤーに警告を与えていた場合、次のフレームは相手に与えられる。
- もしプレイヤーがコンシードを申し出る為にインプレーのボールに触れたり動かしたりした場合、相手プレイヤーがその申し出を受け入れたのであればレフリーはファールやペナルティーのコールはしない。もしそのコンシードの申し出を相手が受け入れなかった場合、第3章ルール16、または第3章ルール3(k)が適用される。
- もしフレームを勝つ為にペナルティーポイントが必要ではなかったプレイヤーが、意図的に違反行為を行い、ペナルティーポイントが必要な状況を作った場合、その行為は不正行為と見なされ、上記ルール1(a)又は1(b)の通り、そのプレイヤーはレフリーから警告を受ける。
- コンシードの申し出、又は受け入れは、一度表明した限り、取り下げることは出来ない。
- 総得点制においてゲーム、試合又はフレームをコンシードした場合、テーブル上に残っている全てのボールの得点が相手プレイヤーに加算される。このときレッドは1個8点として、また誤ってオフザテーブルとなっているカラーはスポットされたものとして計算される。